ALL ABOUT JAZZ 2016
JAZZ歴史講座第四弾「男性ジャズヴォーカリストの系譜」
2016/10/21〜 全3回記録
【講師】 柴田 浩一さん
横濱JAZZプロムナード、プロデューサー。
現在、NHK横浜放送局(81.9MHz)にて、毎週水曜日のジャズ番組「FMサウンド☆クルーズ/よこはま発JAZZクルージング」を担当。2011年、NHK関東甲信越地域放送文化賞を受賞。
著書「デューク・エリントン」(愛育社)。
ご注意:リンク先のYoutubeアドレスは、2016/11時点で参考情報のひとつとして掲載しました。掲載がいつ取り消されるかは全く予測出来ないので悪しからず。(若)
柴田さん
「男性JAZZヴォーカルでは、「クルーナー」という称号がよく用いられます。
「ささやく様に甘く歌う」という意味で、背景にマイク技術の発達があります。」
M1:The Shadow of Your Smile/Perry Como
「イタリア系のクルーナー、Perry Como。」
M2:St. Louis Blues/Bing Crosby
「クルーナーの典型が、Bing Crosby。
黒人と白人の共演がまだ珍しかった1932年、Duke Ellington 楽団とBing Crosbyが共演したのがこの曲です。スキャットも上手い。」
https://www.youtube.com/watch?v=6b_CLQnaUiI
M3:Lazy River/Hoagy Carmichael
「作曲家としてJAZZの名曲を数多く生み出したHoagy Carmichael。
この曲では、ヴォーカリストとして飄々と歌い込んでいます。」
https://www.youtube.com/watch?v=rQwCi8f3iuk&list=RDrQwCi8f3iuk
M4:When You Wish upon a Star/Hoagy Carmichael
M5:Over the Rainbow/Ray Eberle
「グレンミラー楽団専属歌手として活躍したのが、Ray Eberle。
この曲は、グレンミラーの編曲が凄い。」
https://www.youtube.com/watch?v=bcrA4_HBsmE
M6:I'll Never Smile Again/Frank Sinatra
「最高の歌手・Frank Sinatraは、ビッグバンド歌手としてデビューします。ハリージェームス楽団からトミードロシー楽団に引抜き移籍、最初のヒット曲がこの曲です。
その後40年間、「クルーナー」としての活躍が始まります。」
https://www.youtube.com/watch?v=SKyi8suBr6I
M7:I've Got You Under My Skin/Frank Sinatra
「ネルソン・リドルの編曲が素晴らしい、Sinatraの代表曲。1956年録音。」
https://www.youtube.com/watch?v=_XCVnV5CGh0
M8:Everybody Loves Somebody/Dean Martin
M9:Taking Chance on Love/Frankie Laine
「力強いFrankie Laineの歌声。
クルーナーから個性を大事にするスタイルに変わって行きます。」
https://www.youtube.com/watch?v=Z4gi-T83YHo
M10:My Funny Valentine/Chet Baker
「Chet Bakerといえばこの曲、その中性的な歌声を聞いてください。」
https://www.youtube.com/watch?v=jvXywhJpOKs
M11:It Could Happen to You/Chet Baker
M12:As Time Goes By/Woody Herman
「バンドリーダーとして、又クラリネット・サクソフォーン奏者として活躍したWoody Herman、何と歌のアルバムも出しています。」
M13:Lover Come Back to Me/Mel Torme
「歌の実力派といえば、Mel Torme。Sinatraと並ぶジャズ界の巨人。
そのボイス・コントロールの巧さは、右に出るものがいない。」
https://www.youtube.com/watch?v=AcLQCUPxxBI
M15:You Are the Sunshine of My Life/Mel Torme
「Stevie Wonderの曲を、Buddy Rich(d)と共演したのがこの曲。
味のある歌声です。」
https://www.youtube.com/watch?v=5anWUBJ634c
M16:I Left My Heart in San Francisco/Tony Bennett
「今年90歳になるTony Bennett、その大ヒット曲がこの曲です。」
TVライブ映像があったので、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=r6DUwMnDxEs
M17:The Good Life/Tony Bennett
「大先輩のフランク・シナトラをして、「トニー・ベネットは音楽業界最高の歌手だ」と評せしめた逸話を持つ。大好きな曲です。」
この曲もTVライブ映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=zq0LN8rWRno
M18:New York, New York/Frank Sinatra
「最後は元気にこの曲で。
1977年、ライザミネリの曲を大ヒットさせました。何といっても、お洒落でスマート。
年をとって声がしゃがれても、クルーナーとしてうまく歌い込んでいるのはさすがです。」
華やかなローマ劇場ライブ映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=j0ySHLtJ7Rk
柴田さん
「ブルースを作ったのは黒人なので、当然黒人歌手はブルースから出て来ている。」
M1: Sweet Lorraine/Nat "King" Cole
「Nat "King" Coleはピアニストとしてスタートしたが、途中からあまりに評判がいいので歌手に転向した。この曲もピアノの弾き語りで。」
https://www.youtube.com/watch?v=bl8xeunYuJc
M2: Route 66/Nat "King" Cole
「TV主題歌として有名になった曲。」
M3: Star dust/Nat "King" Cole
「前回紹介したHoagy Carmichaelが作曲した名曲。
黒人も白人も多くの人が歌っている。バースが最高に素晴らしい。
Starとdustは、離して表記するのが正しい。」
TV中継映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=VezW1PtDq5E
M4: The Candy Man/Sammy Davis Jr.
「シナトラ一家の子分、大変なエンターテイナー。華やかなこの曲から。
TV中継映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=AYihDAhVPko
M5: Mr. Bojangles/Sammy Davis Jr.
「Sammy Davis Jr.と言えばカッコいいウイスキーCMで有名だった。
この曲は、留置所の中で年老いた元ダンサーと若者の会話。歌詞が素晴らしいので良く見ながら聞いて欲しい。(講座スクリーンに歌詞表示)」
素晴らしいライブ映像の歌詞付き版がYouTubeにありました。必見!
https://www.youtube.com/watch?v=NvYmL5KsvYA
M6: Long, Long Journey /Allan Toussaint
「去年亡くなったが、NY音楽界のドン。」
M7: All the Way/Jimmy Scott
「前回ChetBakerの中性的な声が話題になったが、Jimmy Scottの場合は病気でこの様な声になった。味のある歌い方、伴奏も豪華。」
https://www.youtube.com/watch?v=nFLL26aKr5w
M8: Don't Get Around Much Anymore/Al Hibbler
「Duke楽団の専属歌手。盲目でバリトン。」
M9: Minnie the Moocher/Cab Calloway
「バンドリーダーのヴォーカル。ブルース・ブラザーズの映画にも出て来ている。」
M10: I Can't Stop Loving You/Ray Charles
「Ray Charlesの大ヒット曲、クインシー・ジョーンズの編曲。
M11: Lonesome Lover Blues/Billy Eckstine
「サラボーンを見つけた人。アールハインズ楽団が解散する時に自ら引き継ぎ、BE BOP発祥の素晴らしいメンバーが終結していた。低音の魅力、トロンボーンも演奏する。」
珍しい楽団の映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=Eq1SgZubGLc
M12: In the Still of the Night/Billy Eckstine
M13: Bibbidi-Bobbidi-Boo/Louis Armstrong
「愛称:サッチモ。Mr.Jazz。スキャットを始めた人。Tp以上にボーカルが有名になった。戦後、大ヒットしたのがこの曲。」
M14: When You Wish upon a Star/Louis Armstrong
「こんなきれいな曲を、ダミ声で歌って聞かせてしまうところがさすが。」
https://www.youtube.com/watch?v=uReGn1l4ir8
M15: Hello, Dolly!/Louis Armstrong
「ビートルズ最盛期に、唯一割り込んでTOPになったのがこの曲です。」
珍しいトリオ演奏のライブ映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=l7N2wssse14
M16: Boogie Woogie (I May Be Wrong)/Jimmy Rushing
「カウントベーシー楽団の専属歌手。歌がうまい。」
M17: You Can Deppend on Me/Jimmy Rushing
「1930年代、歌手は楽器のパートの一部として編成されている。」
M18: Gee Baby Ain't I Good to You /Joe Williams
「Jimmy Rushingの後任が、Joe Williams。せりふがはっきりしてうまい。」
M19:My One and Only love/Johnny Hartman
「コルトレーンとの共演で、一躍有名になった。この人の歌、心にしみます。」
https://www.youtube.com/watch?v=ecrE80rnjhw
柴田さん
「最終回の今日は、ジャズヴォーカル・グループの特集です。男性だけでなく、女性のグループも含めてリストアップしてみました。」
M1: Rock and Roll/Boswell Sisters, The
「1930年代に女性ジャズヴォーカル・グループが続々登場。最初に成功したのが、三人姉妹のこのグループです。」
https://www.youtube.com/watch?v=6b5oWwFUhN0
M2: Rum and Coca-Cola/Andrews Sisters, The
「戦後大ヒットしたのがこの曲。まるでCoca-Colaの宣伝の様な曲。」
https://www.youtube.com/watch?v=zGxL2uNr7bk
M3: Just Squeeze Me/King Sisters, The
「四人姉妹のこのグループは、40年代から80年代迄息長く活躍しました。
Duke Ellingtonの曲から。」
M4: TGoodnight, Sweetheart, Goodnight/McGuire Sisters, The
「このグループも戦後から息長く活躍しました。<良きアメリカ>という感じの曲です。」
https://www.youtube.com/watch?v=hR8hUzvL1qI
M5:. Dream/Pied Pipers, The
「ここからは男女混成グループ。トミー・ドロシー楽団のコーラスグループですが、フランク・シナトラのバックで有名になりました。」
TV中継画像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZLLEc-Xh068
M6: Chattanooga Choo Choo/Modernaires, The (w. T.Benake, G. Miller Orch.)
「次のグループは、グレン・ミラー楽団から。<アメリカいいね>という感じの曲です。」
楽しいライブ映像から。
https://www.youtube.com/watch?v=Yg3p1v0ZOdE
M7: Bei Mir Bist Du Schon/Louis & Keely
「昔、野毛の山にラジオ局があった頃、<すてきなあなた>のテーマ曲がこの曲だった。 男女Duet、男性はTpとヴォーカルを担当。ユーモラスでいい曲です。」
https://www.youtube.com/watch?v=lLmK6rlP_cE
M8: Day by Day/Jackie & Roy
「男女Duet、より一層モダンな感じ。」
M9: Have You Met Miss Jones/Pat Moran Quartet, The
「メンバーは同郷の幼なじみ。ピアノ弾き語りでお洒落なサウンドです。」
M10: Tiger Rag/Mills Brothers, The
「俗にバーバーショップ・コーラスと呼ばれる男性アカペラ・コーラス。
黒人Doo wopの走りが彼等です。」
https://www.youtube.com/watch?v=iimCcAIpznM
M11: Dry Bones/Delta Rhythm Boys, The
「Mills Brothers に比べると少しお洒落。日本ではデューク・エイセスが歌って有名になったこの曲。」
ライブ映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=mVoPG9HtYF8
M12: Down by the Riverside/Golden Gate Quartet, The
「Mills Brothersの影響を受けた高校生が成長し、後にGolden Gate Quartetとなった。」
M13: Sin/Four Aces, The
M14: The Birth of the Blues/Hi-Lo's, The
「Mamas&PapasやBeach Boysにも影響を与えたのが、Hi-Lo's」
M15: Alla turca from Piano Sonata in A major/Swingle Singers, The
「日本でもヒットした男女8人グループ。ジャズ・ポップス・クラシック等の多くの分野で高い評価を受けた。」
M16: Sentimental Journey/Singers Unlimited, The
「元Hi-Lo'sのメンンバーが作った男女混成グループ。」
M17: Candy/Manhattan Transfer
「グラミー賞を何度か受賞した、評価の高いグループ」
楽しいライブ映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=sEhjyuDZjGU
M18: It's a Blue World/Four Freshmen, The
「スタンケントン楽団からデビュー、その後素晴らしい活躍をしているのが
Four Freshmen。大好きなグループです。」
https://www.youtube.com/watch?v=74NfBFCx8Hg
M19: Somebody Loves Me/Four Freshmen, The
「ガーシュインのすごく昔の曲が、モダーンに聞こえる。」
https://www.youtube.com/watch?v=dL9NUFA7-LY
M20: Cotton tail/Lambert, Hendricks and Ross
「ジャズコーラス・グループの最終到達点が彼等です。凄いテクニックの常識破りのコーラス。」
大変珍しいTV中継の映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=e8uMdb-WHwc
M21: This Here/Lambert, Hendricks and Ross
「モーニンの作曲者の曲を三人で歌う。決してきれいな歌声ではなく、自分の感情をぶつけている。やはりジャズは、精神的なモノなのかも知れない!」
https://www.youtube.com/watch?v=GJyVCTWAs0g
講座の最後は、今年のちぐさ賞を受賞したヴォーカリスト和田明さんの紹介。
受講生一同、大いに満足&納得の<締め>となりました。